アルゼンチンサッカー界に功績を残した日本男児の
物語明治43年、彼は密かに英国船に侵入した。
北陸の村から出奔した男の、地球の真裏をめ
ざす壮大な旅が始まった。
■主な内容(目次より)■
第一章 故郷からの脱出
第二章 雪のアンデスをこえ、アルゼンチンへ
第三章 聖なる手を持つサッカートレーナーに
彼の治療が終ると、その選手の歪んだ顔に笑みがもどって元
気に立ち上がった。そして、僅かな時間に立て続けに二本の
シュートをたたき込んだ。
スタジアムを埋めた大観衆は、選手よりもその日本人“ハポネ
ス”を讃え、拍手喝采を贈った。
何時の頃からか、人々は、彼のことを東洋の魔術師と呼び、
彼の手を聖なる手“マーノ・デ・サント”とあがめた。
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