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アルツハイマー病を患い、心を失った老妻。過去のわずかな記憶だけが今の時間なのだ。 看取っている夫の方も季節の移り変わりを忘れ、時を見失ってゆく。あふれる抒情と寂寥感 ただよう連作短編集。
■主な内容(目次より)■ ひとつの影 合歓の木 架け橋 さくら散る
■著者紹介■ 正下啓二 (まさき・けいじ) 1918年 大分県中津市生まれ。 早稲田大学文学部仏文科卒。 「早稲田文学」「文学者(丹羽文雄主宰・第一次)」 「九州文学」のほか地域総合誌「九州人」に小説発表。 著書に「回想の早稲田界隈}」「暗くならないうちに」 「遅き日」など。
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